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「ロジスティック」の始まり

2018.12.18倉庫

「ロジスティック」という言葉の意味はご存知でしょうか?
正確には「ロジスティックス」と呼びます。原材料の調達~生産~販売に至るまでの物流とその管理、つまり「物流」という意味の英語です。

さて「物流」の英語名ですが、もうひとつ別の言葉でも使われていることはご存知でしょうか?
もともと「ロジスティックス」の語源は「兵站、調達、後方支援」という意味の軍事用語だったのです。
戦争というと、とかく前線で戦う軍隊の作戦や兵器が勝敗を左右するイメージがありますが、孫子の兵法にもあるように実は「勝敗は戦う前から決まっている」のです。
そして、そこに「ロジスティックス」が大きな役割を担っているのです。
戦闘では弾薬が消耗します。それを補給しないと戦い続けることが出来ません。負傷した兵士には治療が必要です。食事や水も与えなければいけません。戦車やトラックには燃料が必要です。血液の循環のように、前線と後方の補給で物資や人が滞りなく行き交う流れが機能しないと、戦争に勝利することは出来ないのです。
「戦争のプロは兵站を語り、戦争の素人は戦略を語る」という格言すらあるほどです。

第二次世界大戦で、旧日本軍はこのロジスティックスを軽視していた為に敗北したとも言われています。
ミャンマーが戦場だった「インパール作戦」は険しいビルマの山々を乗り越えて戦う作戦でした。
しかし、部隊へ充分な食料や弾薬を届ける為の補給部隊もトラックも全然足りませんでした
ところがそんな問題を無視して作戦を強行した結果、飢えと弾薬不足で多くの兵士が亡くなりました。

ヨーロッパ戦線ではアメリカ軍が敵の意表を突いてイタリア半島に上陸したことがありました。ところが補給物資が無秩序に陸揚げされてしまった為に大混乱、アメリカ軍はなかなか進撃を開始することが出来ず、その間にドイツ軍に包囲されてしまい大損害を被りました。
現在のアメリカ軍はこのロジスティックスを担当する組織が全体の半分以上を占めていると云います。

やがて人類史上最大の悲劇、第二次世界大戦は終わりました。
荒廃した社会も復興し、経済の規模は巨大に膨れ上がってゆきました。生産や流通、消費の仕組みもそれに応じて変化し複雑になってゆきました。
そうなると、それに必要とされる物資の調達、製造、販売までの流れも滞らない為の仕組みが必要となります。その際に、軍隊の運営で培われた「兵站」が応用され「物流」の仕組みが次第に形成されていったのです。

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